マクロ(Macro)は、他のコントロールパラメーターを直接操作するモジュレーションソースです。プログラムを演奏する際に操作に必要不可欠、あるいはよく使用するパラメーターをマクロに設定して、プログラムの”フロントパネル”のツマミやスイッチように扱う際に便利です。モジュレーション可能なパラメーターはすべて、マクロを割り当てることが可能で、1つのマクロで複数のパラメーターを操作することも可能です。
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まずは、マクロが設定されているプログラムから見てみましょう。サウンドバンクのFalcon FactoryからOctavoto Pluckを開き、メイン画面の表示をINFOに切替えます。
ここには2種類のマクロを確認できます。値の連続可変を操作するツマミとオン・オフを繰返すトグルスイッチがこのプログラムで設定されています。これらのマクロを操作すると関連づけられたパラメーターが連動します。またマクロ自身に、他のモジュレーションソースを割り当てることが可能です。例えば、マクロにMIDIまたはHost Automationを割当てて、外部のMIDIキーボードやホストアプリケーションでマクロを操作することができます。実際このファクトリープログラムのマクロにはMIDI CCがすでに割り当てられています。
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マクロの割り当てを確認するには、TREEビューが便利です。左サイドバーの表示をTREEビューに切り替えて、三角ボタンをクリックしてマクロの表示を展開します。
それではマクロをさらに追加しましょう。ビブラートを調節するマクロを作成します。まず、キーグループのピッチを揺らすLFOを追加してビブラート効果を生み出す仕組みをつくります。そしてLFOの深さを操作するマクロを設定します
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メイン画面をEDITビューに切り替えて、キーグループのPITCHノブを右クリックします。メニューからAdd Modulation > Keygroup > New LFOを選びます。
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この新しいLFOを設定します。Freqを5.8 Hzに設定し、Depthノブを0まで下げます。そしてこのつまみを右クリックで Assign To Macro > Add new macroを選びます。これで、ビブラートの深さを調節するマクロが追加されました。
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画面を再びINFOタブに戻し、新しく追加されたマクロノブを操作します。、ビブラートの強さが変化するのを確認します。
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最後にこのマクロの場所の移動とそれがなにを操作するのかがすぐに判るようにマクロ名を変更します。画面左上のエディット(スパナアイコン)ボタンをクリックし、このフロントパネルを編集モードに切替えます。次にこのツマミを他のツマミと同じ高さの場所に移動します。そしてラベルの箇所をダブルクリックして、名前を入力します。ここでは"VIBRATO"と入力してみましょう。入力を完了したら再度エディットボタンをクリックして編集モードを解除します。
マクロはこれまでの解説の通り、1つのパラメーターを直接リモートコントロールすることができます。また複数のパラメーターを1つのマクロで操作することも可能です。このことで、1つのノブ操作で、複数のパラメーターが個別の領域(比率)で動作する特別なコントロールパラメーターを創り出せることを意味します。例えば、フィルターのカットオフとレゾナンスを1つのマクロに設定します。それぞれの比率をカットオフは1.0、レゾナンスは-0.5に設定します。このことで、マクロノブを右方向に回すと、カットオフ値は増加するが、レゾナンス値は減少するようになります。そして、レゾナンスの変化はカットオフの半分で値になります。つまり、マクロのツマミを10上げると、カットオフは連動して10上がり、レゾナンスは5下がります。