前項目ではサンプル(またはドラムループ)を使用した、ドラムキットの構築方法を見てきました。この項目ではFalconに装備されている Drum synth(ドラムシンセ)オシレーターを使用した、ドラムキット構築について解説します。
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画面の右サイドバーのオシレーター(波形)タブは、オシレータープリセットブラウザーで、様々なシンセオシレーターのプリセットにアクセスできます。ここで、Synthesis > Drumを開き、ドラムシンセオシレーターのプリセットを表示します。
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マッピングエディターを拡大表示して、ドラムオシレーターの割り当て範囲を的確におこなえるようにします。画面右下の+-ボタンで、マッピングエディターのキーレンジ(横軸)表示の拡大縮小します。エディターツールバーとエディター画面の境界線の上下ドラッグで、ベロシティレンジ(縦軸)表示の領域を調節できます。
それではまず、キックドラムのサウンドから割り当てましょう。
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オシレータープリセットブラウザーのBD(バス/キックドラム)からプリセット”BD Saving”を選んで、マッピングエディターにドラッグ&ドロップします。この際、エディター画面上の縦軸でキーレンジの割当範囲を決定します。上方向は広範囲、下方向で狭めることができます。ここでは、BDオシレーターをB0からC1の範囲になるようにドラッグ&ドロップをします。
Drumオシレーターはピッチ(OSC)とノイズ(NOISE)の2つのサウンドジェネレーターで構成されています。それぞれ独立したパラメーター設定を持ち、オシレーター内のミキサーでバランスを調節します。そしてマスター(MASTER)セクションのEQやディストーションなどで最終出力を調節します。
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例えば、キックにもう少し輪郭が欲しい場合、オシレーター波形をサイン(sine)から三角(triangle)に変更し、MIXERでノイズを少し追加します。
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次にスネア(SD)ドラムのプリセット”SD Maniac”をD1に追加します。演奏をしてキックとのバランスを確認します。そしてDISTORTIONを上げ、ノイズフィルターのQを下げます。
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そしてElectric Tomフォルダーから”Large Tom”プリセットをノートF1に追加します。
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オシレーターのFrequencyスライダーでタムの音程を設定します。
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通常のドラムキットでは、音程の異なったタムが用意されています。ここでは、1つのプリセットをコピーし、オシレーター周波数で、異なった音程のタムタムをキットに追加します。追加したタムのキーグループを選択し、右クリックメニューから”Duplicate Selected Keygroup”を実行し、選択さしたキーグループの複製を実行します。
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複製されたキーグループは、そのままコピーソースのキーグループ上に追加されますので、これをマウスドラッグで、横のG1に移動します。そして、オシレーター(OSC)のFrequencyパラメーターを操作して、タムのピッチを調節します。
キーグループエンベロープを調節して、タムをヒットした際の長さ(リリース)を調節します。
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キーグループを選択し、モジュレーションエディターで”Amp.Env”タブマウスクリックで表示し、そのReleaseパラメーターを調節してみましょう。また、キーグループを複数選択して、エンベロープを一括調節することもできます。
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Drumオシレーターは、シンセリードやシンセベースサウンドを作ることも可能です。ブラウザーのSynthフォルダーから、プリセット”Clean Synth”をC2からC3に割当てられるようにドラッグ&ドロップして確認しましょう。このシンセサウンドは、ドラムサウンドと別のレイヤーにすることで、1つのプログラムの中でも別系統のエフェクト処理やパラメーター設定などがおこなえるようになります。
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シンセのキーグループを右クリックして、メニューからMove Keygroup to > New Layerを実行して、新しいレイヤーを作成して、そこに移動します。