UVIのサウンドデザイナー、Antoine MartinのWalker活用術をご案内します。
#1 Walkの基礎
- Walkerで歩行音を発するにはC2とE2ノートを交互に打鍵して、左右の足それぞれを操作します。
- この2つのノートの間にあるD2は足を止めた際の“停止/Stop”音を操作します。
- B1とF2ノートの打鍵で多少の“引き摺り/Scuff”を発生させます
#2 踵とつま先
Walkerの足音は“踵/Heel”と“つま先/Toe”、2つのサンプルで構成されます。この2つの音が素早く素早く連続発生することで、足音(歩行音)になります。より自然さを求める場合、まず、感度/Sensを上げて踵とつま先の音がほぼ重なるぐらいにし、アドバンスド/Advタブで踵とつま先のゲイン何れかを下げて調節をします。
#3 距離
映画シーンとマッチさせる際、ほとんどの場合は距離/Distanceを半分よりも大きくしておきましょう。そうすることで、足音が顔の前に来ることなく、自然かつ滑らかなトランジェントと適度な存在感になります。そして、MIDIキーボードのモジュレーションホイール/CC#1が既に距離/Distanceノブとリンクしていますので、ホイール操作やMIDIオートメーションで距離感を操ります。
#4 リバーブ
Walkerにはコンボルーションベースのリバーブが用意されています。このWalkerの為に最適化されらリバーブは、多くの場面にマッチし、適切に扱うことが可能です。リバーブ設定はエフェクト/Fxタブで行います。もし、他のリバーブを利用する場合、距離/Distanceとリバーブセンド/Reverb Sendのリンクを外し、センド量を“0”に設定します。
#5 数クリックの操作で足音を適切にセット
プリセットを選び、必要に応じて以下の調節します:
- 質感:マイクロフォンを選択し、ピッチ/Pitchを調節します。
- エンベロープ:レゾナンス/Resonanceを操作します。短めのディケイはタイトな感じになり、長めの設定は、後処理の必要が少ない自然になります。
- ダイナミクス:エフェクト/Fxタブにはシンプルかつ効果的なコンプレッサー/Compressorが備え付けられています。スレッショルド/Thresholdを下げると落ち着いた感じになります。
#6 EQが鍵
Walkerには2つのEQが用意されています。イコライザー/EqualizerセクションのEQとフィルターはプリリバーブで、足音を整えたりダイナミックに整形します。もう1つのEQはリバーブ/Reverbセクションで、リバーブポストEQとして空間全体の調節に使用します。
#7 アドバンスドタブ
アドバンスドタブは自在な足音設定のために用意されています。踵/Heelとつま先/Toeサンプル、それぞれのゲイン/Gainとピッチ/Pitchの操作で、様々な足音を実現します。
#8 ダイナミックレンジ
足音対象のキャラクターが痩せている、或いは画面上で小さい場合、ダイナミックレンジ/Dyn Rangeスライダーを左側、ピッチ/Pitchを数半音上げると良いでしょう。逆にキャラクターがまるまるしている場合はダインミックレンジを上げ、ピッチを下げます。
#9 マニュアルモード
マニュアル/Manualボタンをオンにした場合、C2とE2ノートは踵/Heelサンプルのみを扱い、つま先/ToeサンプルはC#2とD#2ノートで操作をします。つまり、手動で踵とつま先を個別に操作して足音を作り出します。思いのままの足音演奏をする為には少し練習が必要です。しかしマスターすれば、歩行時の速度感も階段の上り下りも自由自在になることでしょう。
#10 階段モード
階段モード/Stairs Mode(マニュアルモードオフ時に設定可能)は、踵/Heelとつま先 /Toeの発音順を逆のつま先、そして踵にします。
Walkerに関する詳細はこちら: www.uvi.net/walker